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不登校になってしまう子供たちは年々増えていますが、その原因は何なのでしょうか。

不登校という問題について理解が深まり広く認知されてきているのですが、未だに子供たちが甘えているからだとか、怠けているからだと言われることがあります。

 

しかも、そういった考えを持っているのが親だったり、学校関係者だったりするのです。
特にこういった消極的な考え方にさらされるのが、起立性調節障害を抱える子供たちです。

では、起立性調節障害とはどんな病気なのでしょうか、また不登校とはどんな関係があるのでしょうか。

起立性調節障害と不登校は、隣同士にある

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起立性調節障害とは、思春期に起こりやすい自律神経機能失調と考えられていて、急激に成長するときに、ホルモンや自律神経の働きのバランスが崩れた状態と理解されています。

起立性調節障害の症状の出方は人それぞれで、立ったときに血圧が下がって、脳に十分な血流が行かずにめまいがするものもあれば、血圧には異常がないのですが、朝起きられなかったり、お腹が痛くなったりするものもあります。

 

そして、起立性調節障害の子供たちに共通してみられる特徴が、他人のことを気遣いすぎたり、他人からどう思われるかを気にしすぎたりして、心にストレスをためやすい傾向があるというものです。

起立性調節障害の子供たちは非常に繊細で傷つきやすいために、この病気を発症した30パーセントほどの子たちが不登校になっています。

 

ただきちんと理解しておきたいのは、起立性調節障害は心の病気ではなく、れっきとした体の病気であるということです。

この病気は、その名のごとく寝ていたり座っていたりする状態から、立ったときに血流を調整する役目の交感神経が働かず、血が下半身にたまってしまい、脳や心臓に十分な血液と酸素が行き渡らなくなってしまう体の病気です。

 

この病気ゆえに、子供は思うような活動ができなくなり、学校にいけなくなるなど生活に大きな支障をもたらすのです。

不登校の原因は、本当に起立性調節障害?

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不登校になった子供たちの理由について考えるときに大切なのは、本当に起立性調節障害が原因なのか、それともほかの原因があるのかと言うことです。

起立性調節障害が原因であるならば、病気ゆえに学校にいけなくなっているわけですから、まずは治療を優先し、子供が回復していくことを一番の目標にしなければなりません。

 

この場合、子供が起立性調節障害をきっかけで、学校の中で孤立してしまわないように親は気をつけなければなりません。

起立性調節障害の症状ゆえに、学校からは、サボり癖がついたとか、責任感がないとか思われることがあります。

 

先生や友達からそういった見方をされたり、元気そうなのに学校に来られないんだ、などの言葉をかけられたりすると、子供の心は深く傷つき、病気を治して学校に行こうという気持ちを弱めてしまいます。

さらに、遅刻しながら授業に参加しているのを見て、特別扱いされていいなとか、重役出勤はうらやましいななどの言葉をかけられるのも子供を追い詰めます。

 

それで、親と先生がよくコミュニケーションをとり、医師の診断書などを踏まえて、クラス全体が病気についてよく理解するサポート体制を作ることが必要でしょう。

不登校から起立性調節障害になることもある

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ただ、起立性調節障害になる前から不登校だった場合はどうでしょうか。

こういったケースの場合は、不登校になった原因が学校でのいじめであったり、人間関係のこじれなどの問題であったりするのかどうかわかれば良いですが、ほとんどのケースでは本当の原因がわからないことが多々あります。

 

もしかしたら、すでに起立性調節障害が進行していたのかもしれませんし、本人さえもわからない何らかのストレスがあったのかもしれません。

いずれにしても、不登校の理由が何であったとしても、家庭が子供にとって一番心安らぐスペースとなっていくなら、状況は改善していくことでしょう。

親だけは自分のことをわかってくれると思ってもらえるように努めていきましょう。

ところで、起立性調節障害を治す方法はあるの?

ちなみに起立性調節障害は、今のところ完全に治す方法はありません。
多くの場合が18歳前後で自然に落ち着いてきますので、今のところ完全に治すには時間しかない…というのが実際です。

ただ、朝に少しでもスッキリする方法ならありますよ^^
私の娘も起立性調節障害ですが、今では表情もだいぶ明るくなり、自分から「今日は学校行ってみる」と言ってくれるまでになりましたから。

 

詳しくは以下の記事でご紹介しているので、良ければ読んでみてください。

⇒私の娘が自分から「学校に行ってみるね」と言ってくれるようになった理由