起立性調節障害というのをご存知でしょうか?
名前からもなんとなく想像できる部分はありますが、立ち上がった時に起こる症状の事で、子供に多く見られる障害です。
起立性調節障害とよく似た症状に、起立性低血圧というのがありますが、何がどう違うのかも紹介しておきます。
小学生から高校生の子供に多い起立性調節障害は、こんな病気
起立性調節障害というのは、立ち上がった時に重力に影響され、血液が下にたまる事で起こる障害です。
これは誰にも起こる事ですが、通常は交感神経が下半身の血管を収縮させ、血がたまらないよう対応します。
この時副交感神経は休憩するため、心拍数が上がり少し興奮した状態となります。
ただし目に見えた興奮状態ではなく、心拍数を上げ、血流をコントロールする程度です。
この一連の流れを、代償機構と言います。
起立性調節障害は、代償機構が破綻した状態となっているため、血流をうまくコントロールできなくなってしまいます。
立ち上がった時に血が下半身にたまると、脳に血液が行かなくなるため立ちくらみやめまいを起こします。
脳に血液が行き届かないため、思考力が低下してしまいます。
この時心臓も代償性頻脈という状態になってしまい、息切れを起こします。
起立性調節障害と起立性低血圧の違いは、ここ!
起立性調節障害とよく似た症状に、起立性低血圧というのがあります。
立ち上がった時に起こる低血圧というところは、起立性調節障害と似ていますが、一過性なのが特徴です。
起立性調節障害の場合は座ったりうずくまったりしても、症状が改善されず、横にならないと回復せず、回復までしばらく時間がかかります。
起立性低血圧の場合も、立ち上がった時に立ちくらみやめまいが起こりますが、症状は25秒以下で治まります。
ただし起立性低血圧症には軽症型と重症型があり、軽症型ならそれほど辛い思いはしませんが、重症型となると立ち上がった時にアドレナリンの分泌が低下しているため、症状も明らかな違いがあります。
子供にも起立性低血圧は起こりやすく、重症型の場合は代償的な頻脈が起こる事もあります。
起立性調節障害と起立性低血圧の違いについては、症状がよく似ているので見分けは難しいところですが、起立性調節障害により起こる症状が起立性低血圧と考えるとわかりやすいと思います。
起立性調節障害の症状はこれ!
起立性調節障害には、立ち上がった時のめまいや立ちくらみ以外にも、いくつかの特徴があります。
朝起きられない、全身の倦怠感、食欲不振、頭痛、失神発作、立ちくらみ、動悸、夜の寝付きが悪い、集中力に欠ける、常にイライラしている、などが見られます。
朝起きられないのは怠けているからではなく、起きようと思っても体が動かないため起き上がる事ができないのです。
起立性調節障害の場合は特に、朝が弱いのも特徴です。
起き上がれないだけでなく、食欲もなく、体が重いので行動力が低下します。
しかし時間が経つにつれて少しずつ元気になっていくため、午後になると食欲も出てきて、夜になると朝とは別人のように元気に見えます。
特に夜になると気分も良くなり、体も軽いので一見元気になって良さそうに思えますが、今度は夜の寝付きが悪くなるという問題が生じます。
親から見ると、朝なかなか起きずやる気も感じられない、夜になると元気になりいつまでも起きていてゲームなどをしている、という行動が起立性調節障害からくるものという見極めができないため、ただ単に怠けていると思われがちです。
朝起きて1日活動し、夜に眠るという体のリズムが崩れているため、子供は学校生活にも大きな影響を与えてしまいます。
午前中は頭がボーっとしていて集中力に欠けるため、授業も手につかない事が多いです。
午後になると少しずつ元気になっていきますが、午前中の遅れを取り戻す事が思うように行かずイライラしてしまうなどの問題も出てきます。
小学校の高学年から中学生にかけての子供に多く見られる事から、このような症状が続き、親がいくら注意しても改善されないようなら、起立性調節障害の可能性があるかもしれません。
起立性調節障害を良くする方法は?
起立性調節障害を根本的に治療する方法は、残念ながら現時点ではありません。
ただ“今より少しでも楽になる方法”ならありますよ。
私の娘も起立性調節障害で不登校気味でしたが、今では自分から学校に行ってくれる日も増えました。
なので、(もうどうしようもないんだ…)とまでは悲観しなくてよいと思います。
具体的な方法については、以下の記事でご紹介しています。
良ければ、読んでみてください。