起立性調節障害になったときに、早くこの病気を治したいと親も子供も思うものでしょう。
この病気になってしまうと、夜更かしをしてしまうことがよくあり、起きているときにどうしてもスマホやパソコンなどを使ってゲームをしたり、インターネットをしたりしてしまいます。
では、起立性調節障害を治すためには、スマホやパソコンをやめれば良いのでしょうか。
この点を知るために、起立性調節障害と言う病気についてよく理解するようにしましょう。
本当にスマホが原因で、起立性調節障害になる?
起立性調節障害は思春期にかかりやすい病気と言われており、原因がなんなのかはまだ正確には解明されていません。
ですから、スマホやパソコンを夜中までやっていることが原因で、起立性調節障害になったとか、夜中のスマホやパソコンをやめればすぐに病気が治るというわけでもないのです。
起立性調節障害は思春期の子供たちの8パーセント前後がかかると言われています。
この病気になってしまうと、朝にきちんと起きることができず、午前中は体調が悪くて活動ができないことがあります。
横になっていると体が楽なので、一日中ごろしていて、夕方になると気分が良くなってきて、夜には活動的になってしまいます。
そうすると、テレビを見たり、最近ではスマホやパソコンで夜の時間を過ごすようになったりします。
この起立性調節障害に注意が向けられるようになったのは1960年代からですが、正確に診断できるようになったのは90年代からと言われています。
あるアンケートによると、起立性調節障害の症状の一つ、朝起きられず、午前中の間に調子が悪いと答えた子供たちが、小学生では4割以上、中学生では6割以上もいました。
こうして考えますと、実は公になっている数字以上に、起立性調節障害を患っている子供たちが多いことがわかります。
起立性調節障害は、必ず治る?
では、これほど多くの子供たちが抱える起立性調節障害と言う病気はどうしたら治るのでしょうか。
完治するということは体質なども関係するので難しい部分ですが、日常生活に差し障りがない程度まで回復することは必ずできます。
特に、秋や冬の涼しい時期は、体の血管が膨張しないので、比較的起立性調節障害の症状が出にくいとされています。
しかし、暖かくなると、症状が出やすくなり、学校を遅刻したり、欠席したりしてしまうことがあります。
起立性調節障害の重傷の場合は、体と心のケアの両方が必要となりますが、この治療がうまくいくと、一般的には高校2年生あたりからは徐々に回復していくと考えられています。
ただ、重症のケースというのはごくまれであり、基本的には起立性調節障害と診断された子の90パーセントが、高校をきちんと卒業したり、大学に進学したりしています。
スマホを触っていても、子供を怒らないこと
もし子供が起立性調節障害と診断されたなら、まず覚えておきたいのは、この病気は自律神経という体の一器官が正常に働かない病気であり、決して子供が怠けていたり、仮病をしたりしているわけではないと言うことです。
起立性調節障害になると、長時間立っていたり、座っていたりすると、血流が下半身の方に集中して、脳に十分な血液が供給されず、集中力がなくなったり、判断力が低くなったりします。
さらに、午前中に体調が悪くなることが増えるので、学校を休み家でごろごろしていたり、ゲームで遊んだりすることがあります。
そうすると、親としては、ただサボって、親に甘えているとしか思えないと思いますが、実は、自律神経がうまく働かず、活動できないだけなのです。
しかし、親や学校関係者が、この病気のことをきちんと理解して、子供をサポートしてあげるなら、子供は感情的なプレッシャーを感じずに治療を受けることができ、予想以上に早く回復していくこともあります。
それで、もちろんある程度の規則正しい生活を送ることができるように子供を助けてあげることは大切ですが、夜中にするスマホやパソコンだけで、この病気にかかってしまうことはないということは思いにとどめておきましょう。
※ちなみに、私の娘の場合…
実は私の娘も起立性調節障害で、残念ながらいまだ完全には良くなっていません。
ただいろいろ試したところ、今では自分から「今日は調子が良いから学校に言ってみる」と言ってくれるようになりました。
残念ながら起立性調節障害は完全に治す方法は無いのですが、少しだけ良くなる方法として参考になるとうれしいです^^
良ければ、以下の記事を読んでみてください。