もしも起立性調節障害の可能性がある時、どこの科を受診すればいいかわからないため、迷う事も多いようです。
起立性調節障害かどうか見てもらいたい時は、どこの科を受診すればいいのでしょうか?
起立性調節障害は病院を間違えると、大変なことになる
朝起きられないのに夜になると元気にしているという場合、普通はただ怠けているだけじゃないのか?と疑ってしまうでしょう。
たまたま前日の夜に夜ふかしをしていれば、寝不足になるのでもっと寝ていたい、学校に行くのが面倒だと感じる事もあります。
起立性調節障害の原因はストレスによる自律神経の乱れですが、小さい子供は自律神経が未発達のため、ストレスが大きいとそれに対応できず、起立性調節障害になるリスクも高いのです。
さらに小学校高学年から中学校にかけては、思春期という微妙な時期でもあります。
自身の体の変化、友達の関わり、環境の変化などストレスの要因になる事も多くなります。
さらに起立性調節障害という障害はまだよく知られていない事もあって、特徴的な症状が見られても、怠けているだけとか、思春期だから仕方ないなどと誤解されやすいのです。
子供自身はどうしていいかわからないので戸惑いますが、親が変化に気づき病院に連れて行っても、医師の中にも起立性調節障害についての理解が低い傾向があるため、単なる貧血や低血圧だから問題ないと誤診する事もあります。
起立性調節障害は、精神科でも心療内科でも内科でもなくて…
起立性調節障害の場合は専門医に見てもらう事が大切です。
ここ最近になってようやく、小児心身医学会が起立性調節障害の診断基準を発表していますが、実際にはまだ完全に浸透しておらず、十分な対応ができていない状態となっています。
起立性調節障害の専門医の多くは、小児科にいます。
わからない場合はネットで検索してみましょう。
まだ数は少ないものの、起立性調節障害の専門医はいますから、根気よく探してください。
近くの小児科に専門医がいない場合は、小児心療内科を探してみましょう。
起立性調節障害は自律神経が未発達の子供に多く見られる障害ですから、子供の病気を診てくれる医師で、起立性調節障害についての正しい知識と理解がある事も重要です。
実際に小児科にかかっても、ただの貧血とか低血圧だからと言われ、ろくに治療もしてもらえないというケースはあります。
どこかの病院にかかっても納得いかない、不安が解消されないという場合はセカンドオピニオンも考えてみてください。
精神科や心療内科だと、うつ病だと誤診されることも
起立性調節障害が自律神経のバランスが崩れている事が原因という事から、最初に精神科や診療内科を受診する事もあります。
しかし精神科や心療内科では、起立性調節障害であっても症状がうつ病とよく似ている事から、うつ病と診断されてしまう事があります。
起立性調節障害なのにうつ病の治療をしても意味がありませんし、抗うつ薬を使用すると血圧が下がり起立性調節障害の症状が悪化する恐れがあります。
小児科にいる起立性調節障害の専門医が、治療の一環として心療内科の受診を勧める事がありますが、これ以外の場合は自己判断で精神科や心療内科に行くのはおすすめできません。
最初に検討すべきは、小児科または小児心療内科です。
神経内科でも診てもらえる事がありますが、起立性調節障害についての知識と理解がある医師であるかどうかを確認しましょう。
まだ起立性調節障害の知名度が低い事もあって、専門医が見つからない、近くにいないという事もあります。
遠方の場合は通院が難しくなりますが、起立性調節障害の専門医の中にはメールで相談に乗ってくれるところもあります。
遠方で通院が難しい場合は、専門医に問い合わせて近くの専門医や対応してもらえる医師を紹介してもらうという事もできます。
治療を始めるにしても、回復までには長い時間がかかりますから、親や家族、周囲の人や学校にも理解と協力を求めるなど工夫も必要です。